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水谷ペイント ナノコンポジットWの特徴や耐用年数

代表の島田です。

以前の複数の記事にもあります通り、弊社では外壁用塗料として水谷ペイントのナノコンポジットWまたはFをお客様が選ばれるケースが非常に多いです。

これはナノコンポジットが非常に優秀な塗料というだけでなく、私、代表の島田のおすすめ塗料という側面も大きいことでしょう。

過去のブログ記事においても複数回登場している塗料ではありますが、特徴などを詳しく解説した記事がありませんでしたので、今回は島田イチオシの水谷ペイントのナノコンポジットWを詳しく解説します。

※この記事は一般の方を対象とした記事となっておりますので、一部表現を分かりやすく変更しておりますので予めご了承ください。

基本情報

適用下地
・コンクリート、モルタル素地(新規、改修)
・各種複層仕上塗材(リシン、スタッコー、吹付タイル等)
・窯業系サイディングボード(難付着性サイディングも適用下塗り材を塗布することで可能)
・金属系サイディングボード
荷姿・仕様等
・15kg/4kg
・水性
・艶消し(艶調整不可)
・ローラー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り
期待耐用年数
15年以上

ほとんどの外壁に塗装することが可能です。仕様などに特に変わったところはなく、使用方法等は他の外壁用塗料とほとんど変わりません。

特徴① 高い耐久性

水谷ペイントのナノコンポジットWは産官学の連携によって開発され、2004年に発売された塗料です。2004年というと世の中はシリコン樹脂塗料が一般に多く出始めたばかりの頃で期待耐用年数10年未満の塗料が主流でした。最近でこそ期待耐用年数15年の塗料は多く販売されていますが、当時としては期待耐用年数15年という塗料はにわかには信じられなかったことでしょう。(私、島田はまだ職人にもなっていなかった頃です)
最近はよく聞く「有機と無機のハイブリット」や「ラジカル制御」といった技術をその当時から取り入れていたことは驚きでしかありません。
発売から今年で20年ですが、細かな改良を加え、今でも色褪せない魅力を持った塗料がナノコンポジットWなのです。また発売から20年経過していますので多くの実績があるのもポイントです。
以前の記事で塗料の耐候性を測る唯一のJIS規格である促進耐候性試験について言及していますが、促進耐候性は光沢保持率を計測する試験方法のため、ナノコンポジットWのような艶のない塗料では促進耐候性試験が行えず、塗膜を長時間屋外に放置をする暴露試験で高い耐久性を確認しています。自然環境下での試験ですので、きちんとした条件下で試験が行われているとするならば促進耐候性試験よりも現実的で正確な結果が出ているかもしれません。

特徴② 高い低汚染性

塗料に多分に含まれるシリカ粒子(無機系物質)とシロキサン結合したシリコン樹脂(無機系物質)のナノ化された緻密な塗膜で汚れを寄せ付けません。また汚れがついたとしてもセルフクリーニング機能で雨水で汚れを洗い流します。
ナノコンポジットWはほぼ艶消しのような仕上がりの塗料ですが、一般的には艶消しの方が艶のある塗料よりも汚れがつきやすいのですが、このナノコンポジットは一般的な艶ありの塗料よりも圧倒的に汚れがつきにくいです。

特徴③ 高い防火性

一般的に外壁用塗料は塗った後に乾燥(硬化)してしまえば火をつけても燃えることはありませんが、熱には弱く、高温にさらされると塗膜が溶けてしまいます。また溶けた塗膜に火を近づければ引火してしまいます。一部の無機系塗料など、無機成分が多量に入った高価な塗料では耐火性能の高さを謳う塗料もありますが、ナノコンポジットW程度の価格で防火材認定を受けている塗料はほとんどないと思います。
ナノコンポジットWはシリカ系粒子が多く入った無機系塗料と言えるほどの無機系成分の含有量がありますので、高い耐火性能を持っているのです。

特徴④ 高い環境性能

塗料は石油由来成分が大量に入っていることをご存知でしょうか。特にシンナーで希釈をする溶剤系塗料の場合、成分の6割以上が石油由来の成分です。塗装業界全体の流れとして溶剤系塗料から水で希釈する水性塗料へと少しづつ移行してきていますが、まだ多くの分野で溶剤系塗料が主流の場合もあります。ナノコンポジットWを製造している水谷ペイントはかなり早い段階で幅広い分野で水性化してきた会社で、非常に環境への意識が高い企業です。水性塗料は溶剤系塗料に比べ石油由来成分は50%以下と言われていますが、ナノコンポジットWは一般的な水性塗料よりもさらに40%以上、石油由来成分を削減した塗料です。

特徴⑤ 高い意匠性

↑ナノコンポジットWでの施工例
先にも少し述べましたが、ナノコンポジットWは艶消し塗料です。ただ全くの艶消しというわけではなく、若干の底艶と呼ばれる艶があります。(業界では1分艶などと言われてたりします)艶消し塗料は他のメーカーでも多く販売されていますが、ナノコンポジットWの独特の艶感は非常に上品で美しい仕上がりとなります。私、島田がナノコンポジットWをお勧めしている大きな要因の一つです。
これは水谷ペイントの営業さんから聞いた話ですが、元々は艶ありの塗料を開発していたようですが、開発段階で思うように艶が出ず途中で艶消しの塗料の開発へと方針転換を図ったそうです。
多くの艶消し塗料は塗料の中に艶調整剤(フラットベース)という添加物を入れて艶あり塗料から艶を落とすのが一般的ですが、このナノコンポジットWには艶消し剤は添加せずにこの艶消しを実現しています。
今回の記事で詳しい解説は省きますが、艶調整剤を添加すると耐用年数は劣ってしまいます。(詳しい解説を知りたい方はこちらの記事をご覧ください)この艶消し剤を添加してないことも高い耐久性を実現している要因の一つにもなっています。また艶調整剤が添加された塗料では濃い色の塗装時に艶ムラという塗り継ぎ部分やタッチアップ補修部分の艶感や色が少し変わって見える現象が起こりやすいのですが、このナノコンポジットWでは艶ムラはほとんど起きません。

特徴⑥ 高い防藻性能

低汚染性と共通する部分も多いのですが、無機系の強靭な塗膜と高いセルフクリーニング性能で藻やカビの発生や付着を防ぎます。
ナノコンポジットW防藻+という防藻性能を高めた製品もありますが、ほとんどの場合、通常のナノコンポジットWでも十分な防藻性能を持っています。

ここまではナノコンポジットWのポジティブな特徴を6つ述べましたが、ここからは逆にネガティブな特徴を3つ紹介します。

デメリット① 調色の幅が狭い

↑ナノコンポジットWの色見本。全体的に淡い色が多く、濃色や鮮やかな色が少ないことがわかる
ナノコンポジットWは塗料の特性上、極端な濃色や鮮やかな色を出せません。色見本以外にも日本塗料工業会発行の色見本帳から色を指定して調色してもらうことも可能ですが、出せない色も多く存在します。
ただし淡彩色と呼ばれる一般的に外壁でよく使われるような色はほとんど出すことは可能ですが、アクセントとして濃彩色や極彩色を使用したい場合には色が出せない場合があります。
特にナノコンポジットW防藻+の場合は淡彩色のみ使用可能ですので、濃い色は全く出せないということになります。
この調色の幅が他の塗料と比べて狭いことがナノコンポジットWの最大の欠点と言ってもいいかもしれません。

デメリット② 価格が高め

期待耐用年数15年前後の塗料は現在の外壁塗装の業界では最も一般的な塗料グレードとなります。他のメーカーからも期待耐用年数15年前後の塗料は多く販売されており、その中でもナノコンポジットWは同等の期待耐用年数の塗料の中では少し高めという価格設定になっています。
もちろん先に述べた他の塗料にはない魅力を多く持った塗料ですので、個人的にはこれくらいの価格差は仕方ないかなという印象です。
具体的な価格については非常に述べづらいのですが、他の同等グレードの塗料の1.5倍から1.6倍くらいの価格です。(あくまで塗料単体の価格であり、施工価格が1.5倍になるわけではありません)

デメリット③ 艶調整ができない
ナノコンポジットWは業界で1分艶と呼ばれるくらいほんのりとした艶感のある塗料ですが、完全なマットにしたいから艶調整剤を入れて・・・ということはできません。
完全なマットにしたい場合はアステックペイントの超低汚染リファイン艶消1000MS-IR等の他の塗料をおすすめします。

以上がネガティブな特徴となります。
それでは実際にどのような方にこのナノコンポジットWがおすすめなのでしょうか。

こんな方にオススメ

① 艶を抑えた上品な仕上がりをお望みの方
② 少し価格は高くても汚れがつきにくい塗料をお望みの方
③ 環境意識の高い方

こんな方にはオススメできません

① 少しでも安く塗装したい方
② 極端な濃色や極彩色での塗装を希望される方

今回は水谷ペイントのナノコンポジットWを詳しく解説しました。ナノコンポジットWの実力と魅力が少しは伝わったでしょうか。
ナノコンポジットWの施工事例は弊社施工事例に多く掲載されていますので、気になった方はチェックしてみてください。


弊社ではナノコンポジットWの施工事例を多数持っており、水谷ペイントのパートナー施工店に認定されておりますので、ナノコンポジットWでの施工をお考えの方は是非お問い合わせください。

今回紹介した塗料
水谷ペイント ナノコンポジットW

この記事は水谷ペイント ナノコンポジットWのカタログPDFから画像を引用しています。

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