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アステックペイント 超低汚染リファイン1000Si-IRの特徴や耐用年数

代表の島田です。

外壁用塗料徹底解説シリーズの第3弾、今回はアステックペイントの超低汚染リファイン1000Si-IRをご紹介します。

トップの画像に載っている左側の青色の缶の塗料が超低汚染リファイン1000Si-IRで左側の緑色の缶の塗料が超低汚染リファイン500Si-IRで前者が外壁用、後者が屋根用となります。

今回は超低汚染リファイン1000Si-IR、外壁用塗料の解説をします。

この超低汚染リファイン1000Si-IRはアステックペイントの塗料で最も出荷数の多い塗料で、日本の戸建て外壁用塗料の中でもTOP5に入る程の売り上げを誇る塗料となります。

そんな多くの方に支持をされている超低汚染リファイン1000Si-IRを徹底解説します。

※この記事は一般の方を対象とした記事となっておりますので、一部表現を分かりやすく変更しておりますので予めご了承ください。

基本情報

適用下地
・コンクリート、モルタル素地(新規、改修)
・各種複層仕上塗材(リシン、スタッコー、吹付タイル等)
・ALCパネル
・窯業系サイディングボード(難付着性サイディングも適用下塗り材を塗布することで可能)
・金属サイディング
・各種旧塗膜
樹脂
アクリルシリコン
荷姿・仕様等
・16kg/3.2kg(主材、硬化剤の合計量)
・水性
・艶あり、3分艶
・ローラー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り
期待耐用年数
15年〜18年(メーカー公表期待耐用年数)

特徴①低汚染性
この超低汚染リファイン1000Si-IRの最大の特徴といえば、名前にもある超低汚染にあります。

低汚染性とは、塗膜の汚れの付きにくさのことを指し、塗りたての美しさが長く持続する性能のことを言います。

多くの外壁用塗料にはカタログを見れば必ずと言っていいほど「汚れがつきにくい」「超低汚染」などの謳い文句が書いてあると思います。

外壁塗装とは塗料(樹脂+顔料)で建物をコーティングするような形になりますので、理論上どの塗料を塗っても塗る前よりは汚れがつきにくくなります。そのためどの塗料カタログにおいても低汚染という表記がされます。

ただし一部の塗料においては他の多くの塗料と比べて汚れの付きにくさを徹底的に追求している塗料があります。

この超低汚染リファイン1000Si-IRはその中の一つとなります。

上の画像は超低汚染リファイン1000Si-IRのカタログの一部ですが、低汚染性の原理となるのは1の部分、緻密性になります。

塗料は樹脂(シリコン、フッ素など)と顔料(色をつける粉)との混合物ですが、通常は塗料を塗って固まるときに樹脂同士の間に隙間ができてしまいます(もちろん目には見えないレベルの小さな隙間です)

実はその小さな隙間に汚れの粒子が入り込み、汚れが落ちにくくなってしまいます。

この超低汚染リファイン1000Si-IRは塗料に無機成分を多く配合(配合という言葉は正確ではありませんが、ここでは配合と表記します)していますので、樹脂同士の隙間を無機成分が埋めることにより汚れを弾く効果があります。

特徴②高耐候性

一般的なシリコン樹脂塗料の耐候年数はおよそ10年未満と言われていますが、この超低汚染リファイン1000Si-IRはメーカー公表値で15年〜18年と、かなりの高耐候性を示しています。

塗料の劣化因子であるラジカルの発生を抑制するラジカル制御機能はもちろんのことシリコン含有量の多さも相まってシリコン樹脂塗料としては最高レベルの高い耐久性を誇っています。


↑超低汚染リファイン1000Si-IRの促進耐候性試験の試験結果

促進耐候性試験の結果を見ると5000時間照射時に光沢保持率90%以上の数値が記録されており、メーカー公表の15年〜18年という表記も疑いようのない数値と言えると思います。

特徴③遮熱性

近年の異常気象の影響で少しでも電気代を抑えたいとお思いの方も多いと思います。

アステックペイントは遮熱塗料の国内販売シェア1位のメーカーであり、多くの塗料に遮熱性があります。(アステックペイントの遮熱性の有無は塗料名の末尾にIRと表記されているものが遮熱性ありです)

この超低汚染リファイン1000Si-IRにも塗料名の末尾にIRと表記があるように、遮熱性のある遮熱塗料となります。

遮熱塗料は10年以上前から各社が販売しているものとなりますが、私、島田は遮熱塗料にあまり積極的な姿勢は取っていませんでした。

それは遮熱塗料が潜在的に抱えるデメリットがあるからです。デメリットそれは・・・「色褪せのしやすさ」にあります。

今回遮熱塗料のデメリットについて詳しく解説することは避けますが、非遮熱塗料(通常の塗料)と比べると一般的な遮熱塗料は色褪せがしやすいというデメリットがあります。

しかしアステックペイントは独自の技術開発で色褪せのしにくい無機黒色遮熱顔料を開発し、それを遮熱塗料に採用していますので色褪せしにくいという特徴を持っています。

それによって私もアステックの遮熱塗料であれば遮熱塗料でもおすすめできるという方針に変わりました。

ただし外壁から伝わる熱は屋根や窓ガラス・サッシなどから比べると比率は低く、超低汚染リファイン1000Si-IRを塗るだけで部屋が涼しくなることはあまり考えづらいと思います。

塗装でしたら同時に屋根の塗料も遮熱にするなど外壁のみの遮熱塗料での効果はあまり期待しないようにしてください。

ここからは逆に超低汚染リファイン1000Si-IRのネガティブな特徴を挙げていきます。

デメリット①価格が高い

メリット②の高耐候性でも述べていますが、超低汚染リファイン1000Si-IRはシリコン樹脂塗料としては最高レベルの高い耐候性を有した塗料です。

しかしその価格はシリコン樹脂塗料としてはかなり高額な部類に入る塗料です。

アステックペイントにはありませんが、他社のフッ素系塗料などで専用中塗りを使用する塗料がありますが、そういう塗料と比較をすると中塗り+上塗りの材料費で超低汚染リファイン1000Si-IRよりも安価になるケースも見られます。

超低汚染リファイン1000Si-IRは同じ塗料を2回塗りする塗料となりますので、上塗りの価格では他社のフッ素樹脂塗料よりも安くてもトータルでは高くなってしまうということもあります。

もちろん低汚染+遮熱性など超低汚染リファイン1000Si-IRにしかない魅力のある塗料ですので、その価格に価値を見出せるかということになります。

また超低汚染リファイン1000Si-IRは2液型塗料となり、主材に硬化剤を添加して使用します。

その為混合を行ってから使い切るまでの時間制限(ポットライフ)が存在し、翌日に混合した塗料を持ち越すことができないために塗料のロスが発生しやすく、施工価格も高く設定されがちな塗料となっています。

デメリット②艶の調整幅が小さい

超低汚染リファイン1000Si-IRは艶あり(全艶)と3分艶のみのラインナップとなっています。

他社の塗料のように全艶、7分、5分、3分、艶消のような細かな調整が効きません。

また艶調整を行うことで耐候性や低汚染性が下がることがありますので、私、島田はそもそも艶調整をおすすめしていません。艶がない方が良ければ同じくアステックペイントの超低汚染リファイン艶消1000MS-IRという塗料もありますので、そちらをおすすめしたいと思います。(超低汚染リファイン艶消1000MS-IRについては後日、別記事にて徹底解説します)

デメリット③塗料ベンチャーへの信頼性

アステックペイントは日本ペイントや関西ペイントのように代理店を持たずに塗装工事店と直接契約をすることで塗料を販売しています。

このような代理店を持たない塗料メーカーは最近増えてきていますが、業界では塗料ベンチャーと呼ばれています。

アステックペイントはこの塗料ベンチャーのパイオニア的な存在で多くの塗料ベンチャーがアステックペイントの背中を追っている状態です。

会社の規模としてはもちろん日本ペイントなどの大手塗料メーカーと比べれば小さな会社となりますし、当初は塗料への信頼性についても懐疑的な雰囲気もありました。

私個人としては現在のアステックペイントの塗料については何の不信感も持ってはいませんが、やはり大手メーカーの製品の方が信頼できるという方もいらっしゃると思います。

そういう方にとっては不向きな塗料ということになります。

では最後に超低汚染リファイン1000Si-IRはどんな方におすすめなのでしょうか

こんな方にオススメ

①塗りたての美しさを長く保ちたい方
②塗り替えサイクルを長くしたい方
③遮熱塗料での施工を希望の方

こんな方にはオススメできません

①低価格での工事を希望の方
②自由な艶調整を希望の方
③メーカーの信頼性を重視する方

今回はアステックペイントの超低汚染リファイン1000Si-IRを詳しく解説しました。超低汚染リファイン1000Si-IRの魅力が少しでも伝わったでしょうか。

弊社島田塗装工業所は横浜市を中心とした塗装施工店でアステックペイントの取扱店です。

2022年には優良施工店にも認定されています。

横浜市やその周辺で超低汚染リファイン1000Si-IRでの施工をご希望の方は是非お問い合わせいただければと思います。

今回紹介した塗料

アステックペイント 超低汚染リファイン1000Si-IR

この記事はアステックペイント 超低汚染リファイン1000Si-IRのカタログPDFから画像を引用しています。

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