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アステックペイント フッ素REVO1000-IRの特徴や耐用年数
代表の島田です。
外壁用塗料徹底解説シリーズの第4弾、今回はアステックペイントのフッ素REVO1000-IRをご紹介します。
弊社でも多くのお客様から支持される人気塗料の一つであるフッ素REVO1000-IRですが、2025年に入り暗雲が立ち込めてきました。
それはどんな理由なのか、またそもそもフッ素REVO1000-IRとはどんな塗料でどのような方におすすめができるのか、徹底的に解説していきます。
※この記事は一般の方を対象とした記事となっておりますので、一部表現を分かりやすく変更しておりますので予めご了承ください。
基本情報
・コンクリート、モルタル素地(新規、改修) ・各種複層仕上塗材(リシン、スタッコー、吹付タイル等) ・ALCパネル ・窯業系サイディングボード(難付着性サイディングも適用下塗り材を塗布することで可能) ・金属サイディング ・各種旧塗膜 |
フッ素 | ・15kg/4kg ・水性 ・艶あり、3分艶 ・ローラー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り |
16年〜20年(メーカー公表期待耐用年数) |
特徴①高耐久性
一世代前の水性フッ素樹脂塗料は期待耐用年数15年程度のものが多かったのですが、このフッ素REVO1000-IRは期待耐用年数16年〜20年と1段階上の性能を持っています。
フッ素REVO1000-IRは↑の画像にあるように一般的なフッ素樹脂塗料よりも2倍のフッ素成分を配合しています。
これはフッ素樹脂塗料に限ったことではなく、シリコン樹脂塗料でもそうですが、例えばシリコン樹脂塗料はその塗料の樹脂成分のほとんどはアクリル樹脂であり、少量のシリコン樹脂が含まれています。(正確には配合や含まれているといった表現は誤りですがここでは含まれいると表現します。)
フッ素樹脂塗料も同じく、フッ素の含有量というのは塗料によって違い、当然フッ素含有量が多い方が上質なフッ素樹脂塗料となります。
また最近の塗料では当然のようですが、ラジカル制御機能も付いています。(この記事においてはラジカル制御については詳しくは解説しません)
ラジカル制御機能のおかげで樹脂の劣化を抑制しており、これらの総合力で期待耐用年数16年〜20年という優れた耐久性を誇っているのです。
↑の画像は促進耐候性試験の結果となりますが、5000時間照射時に光沢保持率95%以上と優秀な結果を残していますので、メーカー公表値の期待耐用年数16年〜20年という数値も大袈裟な数値ではないと考えます。
特徴②遮熱性
このフッ素REVO1000-IRに限ったことではないのですが、アステックペイントの塗料の特徴として多くの塗料に遮熱機能が付いているというものがあります。
一般的な遮熱塗料は↑の画像にあるように色褪せのしやすい有機顔料を使用しているので、色褪せがしやすいという弱点がありますが、アステックペイントの遮熱塗料は無機遮熱顔料を使用していますので、遮熱塗料のデメリットがないという特徴を持っています。
また他社製の遮熱塗料は価格的にも遮熱塗料というだけでかなり価格が上昇する傾向ですが、アステックペイントの場合はわずかな価格アップで遮熱機能を追加できますので、アステックペイントでは遮熱塗料がおすすめとなります。
ただこのフッ素REVO1000-IRは外壁用塗料であり、遮熱塗料を使用するのであれば外壁よりも屋根に塗装をした方が効果が高くなります。
もちろん、遮熱なしに比べれば遮熱があったほうがもちろん良いのですが、これを塗れば絶対に涼しくなるということはあまり期待できないかなと思います。
ここからは逆にフッ素REVO1000-IRのネガティブな特徴を挙げていきます。
デメリット①価格が高い
元々、このフッ素REVO1000-IRという塗料の最大の特徴といえばコストパフォーマンスでした。
これは期待耐用年数16年〜20年という数値でこの価格は業界では価格破壊と話題になったほどです。
しかし、販売開始からコロナの影響での原材料費高騰や円安による原材料輸入価格の高騰、それに伴った人件費や運送費の高騰で多くのメーカーが値上げを行いました。
アステックペイントも幾度となく価格改定を行い、当初の価格よりも合計で30%程価格が上昇してしまいました。(他社よりも値上げの回数も値上げ幅も大きいものでした)
これでも遮熱フッ素樹脂塗料としては低価格の部類に入りますが、遮熱なしでよければフッ素REVO1000-IRよりもコストパフォーマンスに優れる塗料が出てくるほどフッ素REVO1000-IRが値上がりしてしまいました。
私個人としては遮熱を必要としない場合はお客様におすすめしづらい塗料になりつつあります。
デメリット②艶の調整幅が小さい
塗料徹底比較第3段の超低汚染リファイン1000Si-IRの時にも記述しましたがアステックペイントは艶の調整幅が狭く、艶あり(全艶)と3分艶のみのラインナップとなっています。
日本ペイント パーフェクトトップのように全艶、7分、5分、3分、艶消のような細かな調整が効きません。
毎度毎度記載はしておりますが、私島田はそもそも艶調整をおすすめしていません。その理由としては耐候性や低汚染性が低下する恐れがあるためなのですが、詳しくはこちらの記事で解説しています。
デメリット③塗料ベンチャーへの信頼性
アステックペイントは他の塗料会社と違い、販売代理店を持たずに弊社のような塗装施工店と直接契約をして塗料を販売しています。
このようなメーカーを業界では塗料ベンチャーと呼び、最近ではこの塗料ベンチャーも増えてきました。
アステックペイントはこの塗料ベンチャーの先駆け的な存在の塗料メーカーです。
元々はオーストラリアの塗料メーカーですが、現在のアステックペイントは日本で塗料の設計、製造、販売を行っておりますので国産と考えてもらって間違いはありませんが、他の日本ペイントに代表されるような大手メーカーと比較すれば、メーカーとしての信頼性としてはやはり日本ペイントなどの大手メーカーには敵いません。
では最後にフッ素REVO1000-IRはどんな方におすすめなのでしょうか
こんな方にオススメ
①塗り替えサイクルを長くしたい方
②遮熱塗料での施工を希望の方
こんな方にはオススメできません
①低価格での工事を希望の方
②自由な艶調整を希望の方
③メーカーの信頼性を重視する方
まとめ
記事の途中で記述してしまってはいるのですが、記事執筆時点(2025年1月20日)ではフッ素REVO1000-IRは度重なる価格改定の影響で当初の魅力であった「優れたコストパフォーマンス」は完全に失われてしまいました。
例えばエスケー化研で言えばプレミアム無機という価格破壊を起こした無機塗料もアステックに対抗してリリースしたとも言われており、フッ素REVO1000-IRには厳しい状況になってきてしまいました。
ただフッ素REVO1000-IRにはデメリットのない遮熱塗料としての魅力は当然残っており、どうしても遮熱塗料が必要な場合にはまだおすすめできる場合もあるかと思います。
以前のようにコストパフォーマンスで選ぶということはなくなってしまった塗料ではありますが、弊社でも多くの施工実績を持っている塗料で、その塗料としての信頼性は高い塗料になりますので、フッ素REVO1000-IRをご検討中の方はこの記事の内容を参考に塗料選びの手助けになれば幸いです。
島田塗装工業所は2022年にアステックペイント優良施工店に認定されています。フッ素REVO1000-IRを始め、他のアステックペイントの塗料で施工をご希望の方は是非島田塗装工業所までお問い合わせください。
今回紹介した塗料
アステックペイント フッ素REVO1000-IR
上記リンクから製品情報、カタログPDFのダウンロードが可能です。
※この記事はアステックペイント フッ素REVO1000-IRのPDFカタログから画像を引用しています。