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艶調整のデメリットについて
こんにちは、自称塗料マニアの代表島田です。
本日は外壁用塗料の艶調整についてお話をしていこうと思います。
最近は意匠性の高い戸建て住宅が増えたことにより、艶を抑えた塗装を希望されるお客様が非常に増えました。
弊社のお客様では特にモルタル住宅では8割近くの方が艶のない仕上げをご希望されています。
そこで、艶調整をするとどういったデメリットが存在するのか、塗料の真相をお伝えします。
まず大前提として塗料とは樹脂(アクリル・シリコン・フッ素等)と顔料(色をつけるためのもの)とその他の添加物等との混合物が塗料です。
外壁用塗料は基本的には艶のあるもので、艶調整剤(フラットベース)を混合することで艶を調整することができます。
では艶調整をするとどんな塗料にどんな影響があるのか、以下デメリットをまとめました。
①汚れがつきやすくなる
艶のある塗料と艶のない塗料と何が違うのか。まず塗料が乾いた状態(硬化)で違いを比べます。
↓の図は艶のある塗料と艶のない塗料の断面を拡大したものを示した図です。
艶のある塗料は表面が平らになっており、光を鏡のように反射するため、艶があるように見えます。
逆に艶のない塗料は表面に小さな凹凸がたくさんあるため、光が乱反射してしまい、艶がないように見えます。
小さな凹凸のおかげで艶がないように見えている。これが艶消し塗料の原理です。
ここで艶消し塗料のデメリットが生まれます。
そう汚れがつきやすくなること。
この小さな凹凸に汚れが噛みつくような形になり、ついた汚れが落ちにくくなるのです。
②耐候年数が短くなる
先ほど艶のない塗料には艶調整剤が入ると言いました。では艶調整剤が入ると何が変わるのか。以下の図にまとめました。
左の艶調整のない塗料と右の艶調整塗料との違いは艶調整剤が入っているかどうかの違いだけのように思われます。
ここで重要なのは全体の量は同じなのに艶調整剤が入ることで青い部分の樹脂の量が減っていることなのです。
樹脂がどれだけ重要なのか、以下にまとめます。
まず、今日本の外壁用塗料で最もスタンダードな塗料はシリコン樹脂塗料です。しかし図の青い部分の樹脂が100%シリコンなのかというと実はそうではありません。
シリコン樹脂塗料の樹脂のそのほとんどの部分はアクリル樹脂なのです。
メーカー、製品によってシリコンの配合割合(正しくは配合とは言わないのですが、非常に難しくなるのでここでは配合と表記します)は違いますし、メーカーもその配合割合を公表していませんが、多くのシリコン樹脂塗料はシリコンの割合が5%〜10%程度と言われています。
ですので、塗料全体の中でシリコンの入っている量は非常に少ないのです。
ところがシリコン樹脂塗料は耐候年数10年程度のものが中心となっていて、アクリル樹脂塗料は5年程度です。
何が言いたいかと申しますと、ほんの少量のシリコンが耐候年数に大きく影響しているということです。
艶調整剤が入ることで樹脂の量が減る=シリコンの量も減る(シリコン樹脂塗料の場合)ということになります。
よって艶調整をしていない塗料と艶調整をした塗料とでは耐候年数に違いが出るということになります。
では艶のない仕上げは諦めた方がいいのか
いいえ。
元より艶のない塗料が存在しています。
元から艶のない塗料の中には艶調整剤を含まずに艶のない塗料を実現している塗料も存在します。
このような塗料を使えば耐候年数を犠牲にせずに艶のない仕上がりを実現できます。
汚れのつきやすさについてはどうか
これも艶消しにも関わらず非常に汚れのつきにくい塗料が存在しています。
島田塗装では艶を抑えた仕上がりをご希望のお客様には艶調整は上記の理由からおすすめしていません。
そこで自称塗料マニアの代表島田がおすすめする艶のない塗料を2つ紹介します。
①水谷ペイント ナノコンポジットW /ナノコンポジットF
まずおすすめしたいのは水谷ペイントのナノコンポジットシリーズです。ナノコンポジットWは昨年の島田塗装工業所、外壁用塗料施行数ランキングにおいて1位を獲得した塗料です。その記事についてはこちらをご覧ください。
艶調整剤は入っておりませんので、耐候年数に影響しません。また汚れのつきにくさについては原理をお話しするとブログ記事1枚分にはなってしまいますので省略しますが、非常に汚れがつきにくいと評判です。艶感については若干の底艶がありますが、非常に上品で美しい仕上がりとなります。
②アステックペイント 超低汚染リファイン艶消1000MS-IR
次におすすめするのはアステックペイントの超低汚染ファイン艶消1000MS-IRです。
こちらの塗料は艶調整剤は入っていますが、専用開発された艶調整剤で添加量が非常に少量であるにも関わらず艶消しを実現した塗料です。耐候年数は17~20年と非常に高耐久な塗料となっています。
また汚れのつきにくさについても塗料名に超低汚染と冠するように非常に汚れがつきにくく、さらにこの塗料は遮熱機能付きの塗料となっています。
高価な分類の塗料にはなりますが、艶感は完全な艶消しで、仕上がりも上々です。
島田塗装ではナノコンポジットシリーズの水谷ペイントのパートナー施行店となっていますので、ナノコンポジットシリーズで塗装をご希望の方はお問い合わせいただければと思います。
また超低汚染リファイン艶消1000MS-IRのアステックペイントについてはアステックペイント優良施行店に認定されておりますので、リファインシリーズで塗装をご希望の方も是非島田塗装にお問い合わせください。
今回紹介した塗料
水谷ペイント ナノコンポジットシリーズ
アステックペイント 超低汚染リファイン1000MS-IR
上記リンクから各種情報の閲覧、カタログPDFのダウンロードができます。