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水谷ペイント ナノテクシリーズ発売!

こんにちは、自称塗料マニアの島田です。

今日は水谷ペイントの新商品、ナノテクシリーズのご紹介をしたいと思います。

この記事ではエンドユーザーの方を対象に書いておりますので、表記上一般の方に分かりやすいように表現を変えています。正確には表現の方法が違いますので予めご了承ください。またエンドユーザー向けとではありますが、非常にマニアックな内容となっていますので、その点も併せてご了承ください。
また塗料への評価は代表の島田による独断の評価となります。

ナノテクシリーズは外壁用塗料のナノウォール10、15、20と屋根用塗料のナノルーフ10、15、20と6製品の総称です。
後ろについている10、15、20は耐用年数を示していて、水谷ペイントでは珍しく、耐用年数を明確に示しています。
このことはエンドユーザーの皆様には非常に分かりやすく、施工店側としても好感が持てますね。

今回のナノテクシリーズは全てラジカル制御型塗料となっており、10、15がシリコン樹脂塗料、20がフッ素樹脂塗料となっています。

ラジカル制御型フッ素樹脂塗料で20年耐用とはかなりの耐用年数の長さであり、「水谷攻めてきな」と感じます。

6製品全てを他のライバル製品と比較すると記事が長くなってしまいますので、今回は売れ筋になるであろうナノウォール15が他社のライバル製品の日本ペイントのパーフェクトトップ(以下パーフェクトトップ)、エスケー化研のプレミアムシリコン(以下プレミアムシリコン)、アステックペイントのシリコンREVO1000-IR(以下シリコンREVO)と比較してどれだけ優位性があるのかを検証したいと思います。

左からナノウォール15、パーフェクトトップ、プレミアムシリコン、シリコンREVO

①耐候性
耐候性については先の説明にもある通り、明確に示されています。ナノウォール15では15年の耐用年数となります。メーカーの示した耐用年数についてはパーフェクトトップは明示なし、プレミアムシリコンは15年、シリコンREVOは13〜16年となっています。パーフェクトトップについては公表されていませんが、過去の使用感からすると15年未満といったところでしょう。よってパーフェクトトップ以外の3種についてはほとんど差がなく、パーフェクトトップが少し劣るといったところでしょうか。

②低汚染性
低汚染性とは汚れのつきにくさのことですが、今回の比較では4製品に大きな違いはないかと思われます。いずれの製品も低汚染性を訴求した製品ではありませんし、同条件でテストをしないと差は出てこないと思われます。よって低汚染性から塗料を選ぶことは困難かと思われます。(以下マニアックになります)理論上ではシロキサン結合するシリコン樹脂塗料はガラス等の無機物とほぼ同じ分子配列となりますので、ナノウォール15、プレミアムシリコンとシリコンREVOはシリコン樹脂塗料ですので、シロキサン結合の無機成分の効果で汚れを弾きやすくなるはずです。先述してます通り、実際には同条件下でのテストをしないと比較は難しいです。

③価格
価格についてはほぼ横並びといったところですが、パーフェクトトップが若干安め。後の3種は多少の差はあれど、ほぼ同等の価格と言って良いでしょう。これはあくまでも弊社の仕入れ価格によるものですので、代理店によっては若干の差は出てくると思います。
水谷ペイントについては今月に値上げが予定されていますが、代理店からの情報ではナノテクシリーズについては値上げなしとの情報ですので、ひとまず安心といったところでしょうか。

④艶調整
弊社では艶調整についてはあまりおすすめはしておりませんが、あえて艶調整の自由度という尺度で量ります。
ナノウォール15(艶有、3分艶)
パーフェクトトップ(艶有、7分艶、5分艶、3分艶、艶消)
プレミアムシリコン(艶有、5分艶、3分艶、艶消)
シリコンREVO(艶有、3分艶)
よって艶調整の自由度ではパーフェクトトップ>プレミアムシリコン>ナノウォール15=シリコンREVOとなります。

⑤その他
まずこの4種の中で唯一遮熱機能がついているのはシリコンREVOになります。今回の4種は現在の日本の外壁塗装用塗料において最もスタンダードであり、最も売れている、最も競争の激しいカテゴリーです。それは熾烈な価格競争の世界と言っても良いでしょう。その中でどうしてもコストが上昇してしまう遮熱機能をシリコンREVOは持っているということは他の製品と比較して大きなアドバンテージです。
ナノウォールについては今回、目玉機能の一つとしてレオロジー制御というものを取り入れました。

これは塗料の粘度調整を適切に行うことで塗装面のエッジ部分の塗膜が薄くなってしまうことを避けることができるというものです。外壁には多くの場合テクスチャー(柄)がついていますので、実はエッジ部分は非常に多いのです。エッジ部分まで塗膜がしっかりとカバーできるというのは非常に細かい話ではありますが他の製品にない優位な部分です。

⑥総評
今回も簡単に表にまとめてみました。

価格についてはパーフェクトトップが若干安めという結果ですが、戸建て住宅を1棟塗っていくらの差が出るかといえばほぼほぼ誤差レベルの差になりますので、あまり気にしなくて良いでしょう。艶調整については耐候性の面から弊社ではあまりおすすめしておりません。艶がない仕上がりをご希望の方には艶調整で対応するのではなく、元より艶のない塗料がありますので、そちらをおすすめしております。

ということで総評ですが同じカテゴリーの製品ということで似ているようでそれぞれの特色もあるという結果になりました。この中で島田のおすすめはどれかと聞かれると、お客様のご要望によって変わるとは思いますが、ナノウォールかシリコンREVOですかね・・・
理由はやはり他の製品にない優位性を持っているから。例えばシリコンREVOについてはデメリットのない遮熱塗料であることが大きな要因です。(遮熱塗料のデメリットについては次回以降の記事で紹介します)
ナノウォールについてはレオロジー制御はもちろんエンドユーザーにもわかりやすい耐用年数の明示や外壁用塗料と屋根用塗料を同シリーズとしていることが挙げられます。

水谷ペイントはこれまで「カタログに書いてある文章が難しすぎる」や「カタログから魅力が伝わらない」等とカタログについての批判や意見が多くありました。水谷ペイントはとても真面目に作りすぎてしまうんです。それは塗料もカタログも。塗料で言えばナノコンポジットW。この塗料は水谷ペイントを代表する塗料であり、多くの施工店やエンドユーザーからも非常に評判の良い塗料です。地味ではあるけれど確かな塗料を作り続けてきた水谷ペイントが今回、最も競争の激しいカテゴリーに参入しました。カタログについては以前のものと比べ物にならないくらいエンドユーザー向けのわかりやすいものを作ってきました。
先日会ったメーカーの営業さんも「しばらくはナノテクシリーズを推していきます」と仰っていましたし、メーカーとしてもかなり力が入った製品となっているのではないでしょうか。まだ発売から間もない塗料ではありますが、今後使用した感想や同業他社の方の意見も聞きながら記事にしていければと思います。

ちなみに島田塗装工業所は水谷ペイントのパートナー施工店となっておりますのでナノテクシリーズでお塗り替えをご検討の方は是非お問合せください。

今回紹介した塗料
水谷ペイント ナノウォール15
日本ペイント パーフェクトトップ
エスケー化研 プレミアムシリコン
アステックペイント シリコンREVO1000-IR

上記リンクから各種情報の閲覧やカタログのダウンロードができます。

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