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日本ペイント パーフェクトトゥルーマット発売!
代表の島田です。
日本ペイントからパーフェクトシリーズの新製品、パーフェクトトゥルーマットが発売されました。
この塗料は従来のパーフェクトトップ同等の耐久性を持ちつつ、完全な艶消し塗料となっています。
自称塗料マニアの私からすると外壁用つや消し塗料が日本ペイントから発売されたというだけで非常に興味深いことです。
今回はパーフェクトトゥルーマットとはどういった塗料なのか、またライバル製品と比べての優位性はあるのか見ていこうと思います。
この記事では一般の方を対象に書いておりますので、表記上一般の方に分かりやすいように表現を変えています。正確には表現の方法が違いますので予めご了承ください。また一般の方向けとはありますが、非常にマニアックな内容となっていますので、その点も併せてご了承ください。
また塗料への評価は代表の島田による独断の評価となります。
まず最初にパーフェクトトゥルーマットとはどのような塗料なのかを簡単に説明します。
パーフェクトトゥルーマットは日本の三大塗料メーカーの一つである日本ペイントから発売された水性外壁用艶消し塗料です。シリーズの先輩であるパーフェクトトップはラジカル制御形という言葉を世間に広げ、現在外壁用塗料の中で最も売れている製品と言っても過言ではありません。そんなパーフェクトトップの艶消しバージョンとして発売されたのがパーフェクトトゥルーマットです。パーフェクトトップにも艶を調整することで艶消しは存在はしていましたが、艶調整を行うことで出るデメリットがあったのだと思います。その点を克服するために作られた製品です。
それでは実際にライバル製品と比べて何が違うのかを比較していきます。
①つや消し感
まず日本ペイントの発表によると、完全つや消し塗料として開発されているようで、少なくと従来のパーフェクトトップにフラットベース(つや消し材)を添加して作られているということはなさそうです。
つや消し材が入ると完全なつや消しになることはなく、奥艶とか底艶と呼ばれる若干の艶が出ますが、パーフェクトトゥルーマットでは完全な艶消しのようです。
完全なマットで言うとアステックペイントの超低汚染リファイン艶消1000MS-IRというものもありますが、水谷ペイントのナノコンポジットシリーズでは一部艶と呼ばれるような若干の底艶がありますので、完全なマットがいいということでしたら選択肢の一つになってくるかもしれません。
②低汚染性
パーフェクトトップのような艶有りの塗料にフラットベースを添加した、いわゆる艶調整塗料では艶ありに比べて汚れがつきやすくなるというデメリットが存在します。
今回、日本ペイントの発表やカタログから読み取ると、汚れがつきにくいとされていますが、そのメカニズムについては不明です。
例えばライバル製品であるナノコンポジットWでは樹脂を細分化することによって樹脂同士の隙間を小さくして汚れを入り込ませないというメカニズムがありますが、現時点でその実力は未知数です。実際に使用して比べるしか方法がなさそうです。
③耐候性
これもカタログからの読み取りになりますが、従来のシリコングレードを超える耐候年数を有しているようです。ただし、もしも従来のパーフェクトトップと同等の耐候年数またはパーフェクトトップ以上の耐候年数を誇っているのであれば、カタログにもそのことが大きく書かれるかと思われますのでパーフェクトトップよりも耐候年数は短いのかもしれません。ちなみに日本ペイントでは期待耐用年数というものをカタログで公表していません。過去に日本ペイントの方と直接お話ができる機会にそのことについて聞いてみると、明確に話を避けられてしまいました。(苦笑)私の感覚からするとパーフェクトトップの耐用年数は15年未満といったところではないかと思います。(立地条件で変わります)
ですので、パーフェクトトゥルーマットはそれよりも若干短めということかなと思われます。
対してナノコンポジットWでは13〜16年、超低汚染リファイン艶消MS1000-IRでは17〜20年とライバル製品から比べると少し見劣りするかなというところです。
④価格
価格からすると従来のパーフェクトトップとほとんど変わらない価格帯です。今回ライバル製品として名前を挙げている水谷ペイントのナノコンポジットWとアステックペイントの超低汚染リファイン艶消MS1000-IRから比べると最も塗料価格としてはリーズナブルということになります。
ただしナノコンポジットWとの価格差でいうと私たちが塗装工事を行なった場合の合計価格で計算すると通常の戸建一件塗って数万円変わるかどうかといった違いです。
⑤樹脂
パーフェクトトップや今回のパーフェクトトゥルーマットは大々的に樹脂を明言していませんが、少なくとも水性外壁用パーフェクトトップ、弱溶剤外壁用ファインパーフェクトトップ、弱溶剤屋根用ファインパーフェクトベスト、水性遮熱屋根用パーフェクトクーラーベスト、そして今回の水性艶消し外壁用パーフェクトトゥルーマットの樹脂はアクリルです。誤解のないように言うとアクリルだからダメだというわけではなく、シリコン樹脂塗料もその大部分はアクリルで塗料に若干のシリコンが入っている(正確に言うと入っているという表記は間違いなのですが、ここでは分かりやすいように入っていると表記します)塗料のことを指します。
かつて日本ペイントのライバル会社の方とお話をした時には「パーフェクトシリーズはどうしてアクリルであれだけ耐候年数が伸びるのか不思議だ」とも話していました。今回ラジカル制御技術についての詳しい説明は省きますが、それだけパーフェクトシリーズはラジカル制御技術の恩恵がある製品だということです。
ちなみにナノコンポジットW、超低汚染リファイン艶消MS1000-IRは共にシリコン樹脂塗料です。
まとめ
簡単にまとめてみました。
パーフェクトトゥルーマットの優位性は艶感と価格ということになりますので、この二つを重視する方には十分に選択肢に入るものとなりそうです。
近年艶消しで塗装を望まれるお客様がかなり多くなっています。特にモルタル外壁の建物では艶消しが非常に良く似合います。艶ありで塗装されると「綺麗に塗り替えた感」が出ますが、艶消しですと「新築時に戻った感」が出ます。そのため私たち塗装業者からすると日本ペイントのような大手メーカーから艶消し専用塗料が発売されたということは選択肢が増えることになり、非常に歓迎できることです。
ただし先にも述べているように現状でわかっている内容からライベル製品と比べてパーフェクトトゥルーマットの明確な優位性があるのは艶感と価格のみとなります。しかもその価格においては戸建一件を塗って数万円程度の差となりますので個人的にはパーフェクトトゥルーマットを使うならナノコンポジットWを勧めたいという気持ちです。ただしナノコンポジットWでは完全なマットにはなりませんので、完全なマットを望まれるお客様には選択肢として加えてもいいのかもしれません。また日本ペイントという日本で最大手のメーカーが作っているという信頼性や安心感もありますので、今後日本ペイントの方とお話しする機会がありましたら、ぜひ突っ込んで話を聞いてみようと思います。